2015年8月11日火曜日

Museum Log: 鈴木理策写真展 意識の流れ

写真のみを扱う展示会はあまり行かないのだけど、この展示会は数ヶ月前に広報が始まったぐらいからぜひ行きたいなと思っていて、本日夏休みモードで割と暇だったので行ってきました。

>> 鈴木理策写真展 意識の流れ

行きたいなと思っていた理由は二つあって、一つは単純に写真がきれいだったことと、昨年熊野のガイド本として買った「世界遺産神々の眠る「熊野」を歩く 」の写真家さんだったこと。意識の流れという展覧会のタイトルも十二分に魅力的だし。



写真は一続きで一つの作品になっているもの。写真の一番奥に書かれた文字にはっとさせられます。

白い印画紙、白い雪のイメージ。その境界線は私達の側にある。



どの作品も現実を単純に切り取ったというにはどこか不思議な雰囲気を湛えているけれど、ファンタジックになりすぎず、現実感があるのがよかったです。

熊野の緑の色、やはり好きだったのと、上の写真も含まれる「White」という展示部分も好きでした。

開催場所は初台のオペラシティです。新宿に行く機会があればおすすめです。

* * *

ミュージアムショップで写真に関する本がセレクトされていたので、興味深くながめました。

絵画や文芸と同じように「写真」も一つの表現手法として様々なことが考えられてきた分野だということに初めて気がつきました。写真の技術についてだけでなく、写真論みたいなことを論じている本もいっぱいあるんですね。

 

「写真のキーコンセプト」という本、ぱらぱらっと見たらよさそうと思ったのですが、Amazonレビュー悪くてひとまず「たのしい写真」の方を買ってみました。帰ってきていろいろ調べたら左の本も評価悪くないので、右の方を読み終わったら次のトライしてみます。どちらの本もテクニックのお話ではなく、写真という分野についての解説のような本です。

2015年8月1日土曜日

奈良旅行 + 「天平の甍」、「鹿男あをによし」

友人を尋ねて古都奈良の旅へ。

今回の旅は、井上靖の「天平の甍」とドラマにもなっていた「鹿男あをによし」で予習をしていきました。

お寺レビュー


一日目は近鉄奈良駅周辺を散策。

最初は興福寺。干支に対応した十二神将の十二体の像が印象的でした。



奈良公園の中を歩いて東大寺に向かう途中、氷の神様の氷室神社でお祭りをしていました。涼しそうなかき氷のお店が何店か出店していました。



それから、鹿は本当にあらゆるところにいるんです。本当にきれいな生き物。無駄なお肉のない体も、左右対称の角も。りりしい!



奈良公園の鹿は、野生とは言いつつ、鹿せんべいを持っている人をみつけると全力で追いかけていきます。



鹿せんべいを持っていなくても、ぼーっと写真を撮ったりしていると鹿に突進されていた、とかもあります。

鹿と鹿の糞をよけながら石畳の道を歩いて行くと東大寺の南大門には仁王像が迎えてくれます。

ものすごい強面の顔ですが、その迫力が人をひきつける力を持っているかのように長く見ていても飽きません。東大寺の仁王像はなんだか3Dの映画、つまり平面から浮かび上がってくるかのような不思議な雰囲気を漂わせていました。昔はこういった彫刻が最先端技術を駆使したエンターテイメントでもあったのかな、と考えてみたり。

メインの大仏殿の雰囲気は、日本よりはタイの寺院を彷彿とさせるような作りだな、と感じました。両脇に置かれた蓮の置物(下の写真の左手のところ)とか、日本ぽくないですよね。



中日を大阪行きにして、三日目に尋ねたのは、薬師寺と唐招提寺と。この二つは歩いて10分かからないぐらいの場所にありますが、それぞれ全然違う趣を持ったお寺です。

こちらが薬師寺。青い空に赤い建物が栄えます。全体的に中国っぽさを感じます。



そして、こちらが唐招提寺。天平の甍を読んで、鑑真和上の渡日の物語にいたく感動していたため、今回の旅で一番行きたかったお寺です。



唐招提寺は鑑真が無事に日本に渡ってきてからその建設に着手したお寺です。薬師寺に比べると地味なのかもしれませんが、そのシンプルさが心地良く、鑑真和上の質実剛健さが現れているように感じます。



蓮も咲いていました。水辺は涼しく、木陰も多い砂利道を通って境内を散策します。



入口から見て一番奥の方に廟があります。苔と木に囲まれた道を歩いて行くと小さな丘のようなところに壺が置かれていました。ここにあの鑑真和上が?!と静かに興奮してしまいます。



鑑真については、日本人なら誰でもその名前を教科書に見たことがあると思います。彼は中国でも高名な僧だった故に、船旅の失敗や失明、高齢といった肉体的な重荷だけでなく、中国側からの引き留め妨害にも遭うのですが、一度なされた渡日の決心は翻されることはありませんでした。

当時無法状態だった日本に仏教の戒律をもたらすためにやってきた鑑真和上。なぜ彼の決意がそこまで固かったのかは分かりませんが、井上靖の「天平の甍」日本人として鑑真にお礼を言いたい気持ちになりました。

というわけで、奈良に旅行される際には、「天平の甍」を読んで唐招提寺に行くのを強くおすすめしたいです。


奈良のおみやげ、お食事スポット「ならまち」


近鉄奈良駅周辺の奈良町にはおしゃれな雑貨屋さんやカフェ、お食事処、おみやげやさんが軒を連ねています。

ならまちエリアについてはこちらのサイトがよさそうでした。
>> http://www.kintetsu.co.jp/nara/naramachi/

地図に掲載されている以外にもかわいい&おしゃれなお店がいっぱいです。女子なら半日は散策できそうなエリアです。

他には最近、関東でもよくみかける中川政七商店の本店がありました。鹿柄のグッズがかわいい!それから、布巾が奈良発祥で有名らしいのでこちらも鹿柄をお土産に何点か購入しました。

>> http://www.yu-nakagawa.co.jp/p/honten

ならまちエリアの家、お店の軒先にぶるさがる赤いクッションのようなもの。身代わり申と呼ばれる厄除けらしいです。申がぶるさがり過ぎていて不気味なところもありました。汗



ところで、こちらの奈良町資料館で幻のラムネを買うことができました!

※幻のラムネ:奈良で製造される入手困難ならラムネだそうです。ならまちだとならの実というお店で取り扱いがあるようですが、売り切れていることが多いようです。奈良町資料館はふきんとセットで買うことができます。おみやげにも。

二回のランチは、うどん屋さん麺闘庵と古代米御膳のある茶房暖暖(のんのん)でいただきました。

* * *

今回の旅行は、久しぶりにお天気に恵まれ大変良い旅行でした&仏教についてもっと勉強してみたくなりました。

 

2015年5月7日木曜日

Book Review: コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと

ニコニコ動画で有名なドワンゴ創設者の川上量生(のぶお)氏がジブリで見習いプロデューサーをしながらコンテンツについてまとめたこちらの本。

ジブリの裏側を覗き見しながらコンテンツとは何かクリエイターとは何かなど、コンテンツを作る人なら一度は考えたことのあるテーマについて、読みやすくまとまっています。

映像の情報量の話や、コンテンツのパターンの話はなるほど、確かに〜と唸ってしまうような視点からの考察でとてもおもしろかったです。

ブログを書いたりコンテンツを作る立場にいる人はもちろんのこと、ジブリファンにもおすすめの一冊です。



2015年5月6日水曜日

Trekking Log: 御岳山



GW最終日、東京の御岳山に登ってきました。と言っても、山登りというよりは、ハイキングと呼ぶのがよいような感じではありましたが、深緑が芽吹く山は気持ちよく歩くことができました。

ケーブルカーで滝本駅から御岳山駅に登ります。ケーブルカーの駅周辺は売店もあり、藤の花も咲いていました。



まずは武蔵御嶽神社に参拝。神社までの参道の階段を猿(?)が支えていました。



人気スポットのロックガーデンを目指す途中に天狗岩があります。鎖を使って大きな岩を登って行くと、本当に天狗が!



天狗岩はいろいろな山にあれど、本当に天狗がいるのは珍しいですよね。この後、いくつかスポットを回って帰り道には天狗の腰掛けの木もありました。

GW最終日ということで、今回は御岳山だけで下山しましたが、大岳山やその他の山にも行くことができるので、長めに歩く登山もできそうでした。

道は緩やかですが、ロックガーデンまで行く場合は、トレッキングシューズか汚れても大丈夫なスニーカーがおすすめです!

2015年5月2日土曜日

石田尚志 渦まく光 @ 横浜美術館



朝の用事を終えて横浜美術館の前を通ると、少し気になっていた「石田尚志 渦まく光」が会期中の模様。入口の人通りは少なく、エントランスも暗いため、まだ開館時間でないのかな?とおそるおそる入ってみると、エントランスからすでに照明を落として大きなスクリーンに映像が映し出されていました。雰囲気はいい感じです。

展示は、絵だけでなく音楽つきのアニメーション、映像も多くありました。

最初のうちは、あまりに意味が分からない上に、模様のような絵が動いていくので若干気持ち悪くなりつつも、徐々にその不思議な模様や動きの独特の線のリズム感みたいなものにはまっていくというのでしょうか。連続していることがもたらす不思議な感覚。

とりわけ美しいな、と思ったのは、ロンドンの一室で窓から入る陽の光を写し取るように描かれた模様が重なっていく様子を映像にした「Reflection」という作品。リンク先は重なる窓の動きの途中の画像です。いったん描かれた模様がまた真っ白な部屋に戻るところまで巻き戻って映像作品は終了していました。この作品、DVDで欲しいな〜と思ってしまいました。

また、現代アートは、素人の私が見てもコンセプトだけに走った雑な作品が多い印象をよく持つのですが、今回の石田さんの展示ではコンセプトだけでなく、緻密でよく計算されて作品が丁寧に制作されている印象を受けました。とてもよかったです。

横浜にお越しの際にはぜひ。5末まで開催しています。

作家さんご本人のサイト: http://www.geocities.jp/office_ishidatakashi/japanese_top.html

2015年4月29日水曜日

アートめく4月: 六本木アートナイト、エロール・ル・カインの魔術展、谷崎潤一郎展

4月終わりかけ、立て続けにアート鑑賞をしてきました。

一つは六本木アートナイト。いつもより遅い時間まで開いているサントリー美術館の「若冲と蕪村」をまずは鑑賞。与謝蕪村って、俳人だとばかり思っていましたが、絵師でもあったんですね。

その後は街中に散らばるアートを見ながら移動。写真は、ミッドタウン前でのライブペインティングの様子。



日没から日の出までのコンセプトにあるように、明け方に向けて絵が完成していくのでしょう。見たのは、20時過ぎ。日付が変わる頃には退散していたので完成の図はInstagramで見たのですが、龍の絵になっていました。

* * *

週が明けてから、そごう横浜でやっているエロール・ル・カインの魔術展へ。

子ども向けの絵本と言うには、視覚的な情報量が大変多い絵柄の数々。細い線、緻密な模様が大変好みでした。

デパート内の美術館なので小さいのかなと思うのですが、展示の解説(絵本や絵の説明)もとても丁寧で見応えがありました。

* * *

そして、今日は神奈川近代文学館でやっている谷崎潤一郎展へ。

元町・中華街駅から港の見える丘公園内に向かって、気持ちの良い道を10分ほど歩いていきます。



谷崎潤一郎の一生を作品の原稿や写真、手紙などと一緒に丁寧に俯瞰することができます。妻を始めする女性たちとの関係や、創作の女神と崇めた三姉妹への献身的な奉仕(?)など、ちょっとどん引きしつつも、死の直前に書き始めようとしていた作品の原稿は鬼気迫るものがありました。

こちらは初めて伺ったのですが、企画展以外にも夏目漱石の自筆原稿(レプリカ)などもあり、文学好きとしては垂涎ものでした。

鑑賞後、売店で気になった本を買ったところ谷崎潤一郎缶バッチがついてきました。笑



何につけようかしら?

2015年3月2日月曜日

初春の秩父旅

特急レッドアロー号で秩父へ女子旅。

快晴の一日目。

西武秩父駅より北上し、ロウバイが見頃な宝登山神社周辺の散策と日本の古いお金、和同開珎にゆかりのある聖神社を巡りました。


色鮮やかな宝登山神社参拝後は、ロープウェイを使って山頂を目指します。
山の上の方では、ロウバイだけでなく様々な梅の色と香りを楽しむことができます。


青い空にロウバイの黄色が映えます。




赤い梅、白い梅。こちらの見頃はもう少し先のようでした。

その後、聖神社に移動しておみくじを引くと、中吉というまずまずの結果。せっかくなのでお金周りのことを願掛けしてきました。

吹雪の二日目。

二日目は、西武秩父駅を西に南下し、三峯神社に参拝。もともと霊験あらたかと表現される神社のようなのですが、雪と霧のために幻想的なまでの境内でした。


三峯神社を守るのは、狼!かっこいい!


参拝のためにものすごい列が出来ている(@_@!! と思ったら、ある月の一日にしか配布しないお守りの配布と日曜日が重なったためだったようです。

両脇の木も気を感じられるご神木ということでした。こちらも人が列をなしていました。

一日目の気持ちの良いリラックス感と二日目の過酷さが対照的な旅行でしたが、初春の秩父を満喫できました。

吉高由里子さんがCMをやっていますがレッドアロー号なら池袋から西武秩父まで1時間半ほどで行けるので週末を使っての1泊旅におすすめの場所です。西武鉄道のサイトは観光ポイント+食べ物抑えてあるのでおすすめです。

>> 秩父さんぽ旅

※決して西武の回し者ではありません…。

2015年1月29日木曜日

Movie Review: 新版 ANNIE/アニー

Annie大好き!!

というわけで、他の映画の予告でAnnieがリメイクされているのを見てから楽しみで楽しみで仕方のなかった新しいAnnieを見てきました。歌を聴くだけで元気になれるAnnieは、オペラ座の怪人やレミゼを押しのけて自分的には永遠のNo.1ミュージカルなのです。



原作は小説で、その後ブロードウェイ・ミュージカル化され、1982年(そんなに前だったのか…)に映画化もされて今回は二度目か三度目の映画化のようです。

時代は現代なので、AnnieのTomorrowに励まされるという設定のフランクリン・D・ルーズヴェルト大統領はもちろん出てきませんし、歌についてもアレンジや新曲もありましたが、冒頭部分でAnnieが彼の政策についてオマージュを捧げていたり、「You're Never Fully Dressed Without a Smile」というラジオ放送に使われていた曲が主題歌として蘇っていたりと、過去の作品への敬意を感じられたのも感動しました。



全体的にコメディ調に仕上がっていて、キャメロン・ディアス演じるミス・ハニガン先生も人間味が増していたのもいい感じでした。Yes, Miss Hanniganって、子どもたち(今回はAnnieたちは孤児(orphan)じゃなくて、里子(foster kid)でした!)が言うシーンも現代版アレンジがなされていました!笑

それに、何と言っても、Annie役の子がかわいい!旧版の赤毛ちりちりAnnieに比べると大人びている印象でしたが、今回の子も演技うまい!リズム感がいい!彼女が歌う度に嬉しくなってしまいました。調べると、クヮヴェンジャネ・ウォレス(Quvenzhané Wallis)ちゃんは9歳のときに最年少でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされているそうです…天才か…。

新版、旧版どちらも元気になりたいときにおすすめの作品です。

旧版Annieは、現在Huluでも配信されていたので、週末にもう一度見ようかな。


* * *

ちなみに、どちらの映画版にも入っていないのですが(悲)ミュージカルに版にはある「New Deal For Christmas 」は個人的に好きな一曲です。

クリスマスの「新しいもみの木」を買いに行こう!と「ニューディール政策」とをかけて、時代に希望を見いだす曲で、子どもときはそこまで好きではなかったのですが、何度も聞いているうちに好きになってしまった曲です。今の時代の雰囲気には合わないかもしれませんが、現代版でもどうせなら最後に大きな時代の変化の予兆を見せてくれたらよかったかな〜なんて思ったりもしました。