2010年12月12日日曜日

Book Log: インパラの朝

友人が、友人の作品ということで勧てくれたので、手にした本。

ノンフィクションは普段ほとんど読まないジャンルだったので、読み切れるか不安だったけれど、そういう心配は一切必要なかったです。
実際に起きたことでありながら、想像もつかない世界を知れる知的好奇心に対する刺激と、コンパクトに書かれた文章にぐいぐいと引き込まれました。

女性の旅行記というと、感情的な、自己鼓舞的な文章を思い浮かべるけれど、そういう装飾は一切なくて、だからこそ、とても共感できるし、彼女が見て、感じたことは普通の私たちが感じることを代表してくれているのではないか、という安心感があります。



第七回開高健ノンフィクション賞受賞作なのですが、選考委員の言葉はこう語っています。

いわば、啖呵を切りながら
旅をしてきたのだ。
その啖呵が小気味いい。
-重松清

本当に、彼女は啖呵を切っている。
気持ちいぐらいに。
でも、次第に啖呵を切らなくなる。

旅で出会う人々、起きることに身を任せることによって、いろんなことが落ち着くところに落ち着くんだという受け入れる姿勢が彼女に徐々に芽生えてきて、私たち読者も、旅への不安やひやひや感から、開放されるすがすがしさと落ち着きを得ることができる本です。



現実の旅路だからこそ、フィクション以上に、自分の知らない世界への新鮮な驚きを感じることができます。

著書の、中村さんは今でも旅を続けながら、ブログを書いています。
ブログの文章は、本よりもラフな感じで、読みやすいです。

安希のレポート:http://akinakamura.net/

おすすめの一冊です。