20世紀 ラテンアメリカ 短篇選(岩波文庫)
野谷文昭 編訳
本のタイトルの通り、ラテンアメリカ文学の短篇集。ラテンアメリカ文学は大好きなのですが、詳しいわけではないので短編でいろいろな作家の作品を読める本は本当にありがたいです。
四つのセクションごとに数編のお話が綴られています。セクションは以下の通り。
Ⅰ:他民族、他人種的状況/被征服・植民地の記憶
Ⅱ:暴力的風土・自然/マチスモ・フェミニズム/犯罪・雑仁
Ⅲ:都市・疎外感/性・恐怖の結末
Ⅳ:夢・妄想・語り/SF・幻想
もちろん、編者の設定した順に読むのがいいのかもしれませんが、私はラテンアメリカ文学の、現代日本ではあまりお目にかからない暴力的テーマに惹かれるところがあるので、セクションⅡから。とはいえ、どのお話にも死や暴力がつきまとっているのがやはりラテンアメリカ文学の醍醐味。数ページで完結するお話もあるので、ラテンアメリカ文学の雰囲気を知ってみたい方にはおすすめの一冊です。
以下、いくつかおもしろかったお話などをご紹介。
初めて知ったアナ・リディア・ベガ。作者の名前を見ずに読み始めたところ女性っぽい書きぶりで珍しいな、と思ったら女性の作家さん。フランスを舞台にしており、どちらかというと感じる雰囲気はラテンよりはフランスぽいものの、最後の一ページにどきっとさせられ、好きでした。邦訳が少ないのが残念。
日本語訳もある「精霊の家」のイサベル・アジェンデ。こちらは、物語の情熱とは対照的に、女性っぽさはなく、魔術的リアリズム(本人はそう言われるのを嫌がったそうですが…)の作風でインディオの伝統的な死との対面の考えが短く綴られているのでおすすです。
※2枚目の写真は、ワリマイの一部です。
また、今回一番おもしろいと思ったのは、コルタサルを彷彿とさせる現実ファンタジーの織り混ざったような水の底。シニカルでくすっと笑えるおもしろさが好み。ボルヘスと共同編しているという「ボルヘス怪奇譚集」と「モレルの発明」はひとまず入手したのでまたレビューしたいと思います。

野谷文昭 編訳
本のタイトルの通り、ラテンアメリカ文学の短篇集。ラテンアメリカ文学は大好きなのですが、詳しいわけではないので短編でいろいろな作家の作品を読める本は本当にありがたいです。
四つのセクションごとに数編のお話が綴られています。セクションは以下の通り。
Ⅰ:他民族、他人種的状況/被征服・植民地の記憶
Ⅱ:暴力的風土・自然/マチスモ・フェミニズム/犯罪・雑仁
Ⅲ:都市・疎外感/性・恐怖の結末
Ⅳ:夢・妄想・語り/SF・幻想
もちろん、編者の設定した順に読むのがいいのかもしれませんが、私はラテンアメリカ文学の、現代日本ではあまりお目にかからない暴力的テーマに惹かれるところがあるので、セクションⅡから。とはいえ、どのお話にも死や暴力がつきまとっているのがやはりラテンアメリカ文学の醍醐味。数ページで完結するお話もあるので、ラテンアメリカ文学の雰囲気を知ってみたい方にはおすすめの一冊です。
以下、いくつかおもしろかったお話などをご紹介。
アナ・リディア・ベガ「物語の情熱」
初めて知ったアナ・リディア・ベガ。作者の名前を見ずに読み始めたところ女性っぽい書きぶりで珍しいな、と思ったら女性の作家さん。フランスを舞台にしており、どちらかというと感じる雰囲気はラテンよりはフランスぽいものの、最後の一ページにどきっとさせられ、好きでした。邦訳が少ないのが残念。
イサベル・アジェンデ「ワリマイ」
日本語訳もある「精霊の家」のイサベル・アジェンデ。こちらは、物語の情熱とは対照的に、女性っぽさはなく、魔術的リアリズム(本人はそう言われるのを嫌がったそうですが…)の作風でインディオの伝統的な死との対面の考えが短く綴られているのでおすすです。
※2枚目の写真は、ワリマイの一部です。
アドルフォ・ビオイ=カサーレス「水の底」
また、今回一番おもしろいと思ったのは、コルタサルを彷彿とさせる現実ファンタジーの織り混ざったような水の底。シニカルでくすっと笑えるおもしろさが好み。ボルヘスと共同編しているという「ボルヘス怪奇譚集」と「モレルの発明」はひとまず入手したのでまたレビューしたいと思います。

