2011年6月12日日曜日

Book Log: ハーモニー

今は亡き伊藤計劃氏のSF。
TSUTAYAの本棚でたまたまみかけ、フィリップ・K・ディック賞特別賞受賞の帯の文字にひかれて購入。

ぱらぱらとめくるだけでわかるけれど、その文体にも表れているように精緻に練られた世界観の上に成り立っている“人類”終焉の物語。


今の社会にまん延している息苦しさを思いっきり拡大して描いている分、読んでいると気分が悪くなってくるにも関わらず、その現実味のせいで目をはなすことができなかった。


SF好きな人にはおすすめしたいです。



ところで、今の社会の延長線上にある未来のイメージは、手塚治虫のマンガしかり、村上春樹氏の歌うクジラしかし、この伊藤計劃氏のハーモニーしかり、どれも似ていてちょっと驚く。本当に世界はこんな風になっていってしまうのかな、と。

あと、世界の大きな方向転換の契機として、核爆発/核汚染って多いけれど、これは描きやすいのかしら??と思ったり。


2011年6月9日木曜日

Book Log: 夜は短し歩けよ乙女

関西の方の友達にすすめられて手にした本。
作者のもりみーこと森見登美彦さんも京都大学出身だとか。

買って数ページ読んでしばらく放置してしまったのだけど、森見さんを雑誌のインタビューで見かけて、思っていた人物像をいい意味で裏切られる風貌をしていたのでそれを機にもう一度読み始めてみたら、見事にはまりました。

最初は読みにくいと思ったけれど、なんというか日本語の使い方が流暢なんですね、すごく。
慣れるとまさに京都の大学生!という感じが現れる(?)それっぽい文体が心地よくなってくる感じでした。

あと、ただの京都の大学生活じゃなくて、メルヘンっちくなところもよくて、それがまた京都の大学生っぽい感じで。

好き嫌いはあるかもしれないけど、おすすめです。

2011年6月7日火曜日

Book Log: 世界幻想名作集

怪奇小説の有名どころを抑えたくて手にした本。ヨーロッパを中心とした10の作品が紹介(超短編に関しては、そのまままるっと収録)されています。

不思議な感じの文学が好きな人にはぜひおすすめしたいです。

特におもしろいと思ったのは、ホフマンの「砂男」とポーの「黒猫」。あと、すでに読んだことはあった&ミュージカルも見たけれど「ジキル博士とハイド氏」はやっぱりおもしろかった。



この本を読みながら怪奇小説の何が好きか考えてみたけれど、とりわけ好きなのは人間の精神の極限を描いているところじゃないかと思ったわけです。

「ジキル博士とハイド氏」なんかはわかりやすい例で、確かにジキルは薬を媒介としてハイドになるわけだけど、私たちは人間の中に潜む二面性を知っていて、それが薬のせいというよりは、薬がただ心の中の何かを助長しているだけということを確信していて、その異常さがリアリティを持っているからこそ、心を揺さぶられ、気持ちをかき乱されるのではないか、と。

それぞれのノーカット版に次は挑戦。