毛皮のマリーは何度読んでもよいです。好きです。
マリー あたしだって実業家よ。
(と肩をそびやかして)
でもねおかねになるかどうかは、二の次の問題ね。人生は、どうせ一幕のお芝居なんだから。あたしは、その中でできるだけいい役を演じたいの。芝居の装置は世の中全部、テーマはたとえ祖国だろうと革命だろうとそんなことは知っちゃあ、いないの。役者はただ、じぶんの役柄に化けるだけ。これはお化け。化けてばけてとことんまで化け抜いて、お墓の中で一人で拍手喝采をきくんだ……
寺山修司『毛皮のマリー』2009年、角川文庫
他にもう一つ気に入ったのはここ。
(世の中の人はみな誰かの「代理人」であるという話の流れの中で)
中年の男2
そして私はまた、あなたの股の間に顔を埋めて「代理人」相応の、孤独な宝さがしにふけるって訳ですよ。(笑って)そう、映画の外でね。
つまり、世界の外でね、って言ってもいいかも知れないが……
寺山修司『さらば、映画よ』2009年、角川文庫
昔は、ただこの世界観が好きで読んでいただけの戯曲のことばのひとつひとつに、今は自分の見ている社会とリンクする何かをみつけることができるようになったのは大学に通ったおかげでしょうか。
誰かの作品に触れるということは、すなわち誰かの見ていた社会と思考回路を疑似体験するということなのかもしれません。
そして、同じ何かを見つめる人の作品には共感する。
そうやって人は自分の寂しさを紛らわせるのかもしれないですね。
マリー あたしだって実業家よ。
(と肩をそびやかして)
でもねおかねになるかどうかは、二の次の問題ね。人生は、どうせ一幕のお芝居なんだから。あたしは、その中でできるだけいい役を演じたいの。芝居の装置は世の中全部、テーマはたとえ祖国だろうと革命だろうとそんなことは知っちゃあ、いないの。役者はただ、じぶんの役柄に化けるだけ。これはお化け。化けてばけてとことんまで化け抜いて、お墓の中で一人で拍手喝采をきくんだ……
寺山修司『毛皮のマリー』2009年、角川文庫
他にもう一つ気に入ったのはここ。
(世の中の人はみな誰かの「代理人」であるという話の流れの中で)
中年の男2
そして私はまた、あなたの股の間に顔を埋めて「代理人」相応の、孤独な宝さがしにふけるって訳ですよ。(笑って)そう、映画の外でね。
つまり、世界の外でね、って言ってもいいかも知れないが……
寺山修司『さらば、映画よ』2009年、角川文庫
昔は、ただこの世界観が好きで読んでいただけの戯曲のことばのひとつひとつに、今は自分の見ている社会とリンクする何かをみつけることができるようになったのは大学に通ったおかげでしょうか。
誰かの作品に触れるということは、すなわち誰かの見ていた社会と思考回路を疑似体験するということなのかもしれません。
そして、同じ何かを見つめる人の作品には共感する。
そうやって人は自分の寂しさを紛らわせるのかもしれないですね。