タイトル:幻影の書(新潮社)
作者:ポール・オースター(Wikipedia)
訳者:柴田 元幸
ラ米文学ばかり読んでいたので、都会の作家が書いた本が読みたくてみつけたポール・オースターに手を伸ばす。「ニューヨーク三部作」と呼ばれるのが有名なようだけれど、三部作よりは一冊で完結するこちらの本に。
濃厚でスピード感のある話の話の展開。今、内容を思いだそうとぱらぱらと本をめくったら、ストーリーの後半のヒロインであるアルマという女性の登場が思っていたよりも本の前の方にあって、お話の長さに対する体感の短さを再度認識。
サスペンスでありヒューマンドラマであり大人のファンタジーとも言えるような分類しがたい小説でありながら、まさに小説といった感じの表現の美しさを備えている作品だと思います。もう家庭を持って、子どもも大きくなったよ、ぐらいの人におすすめしたい一冊。
また、昔っから翻訳された文学ばかり読んでいるので翻訳者の好き嫌いみたいなものに敏感で、本を読み始めてすぐに翻訳された文章を楽しむか、元の文章に想いを馳せながら読むべきかを選んでいるのですが(偉そうですいません…)、今回は安心して翻訳者の方の文章に身を預けて読むことができました。
※おぉ、この文章読みやすい!って思う翻訳者の方はたいてい東大の教授ですね…。
東大すごいって思う瞬間。