2018年11月26日月曜日

Museum Review: さわひらき 潜像の語り手


夏は暑くて最低限の外出しかしなかったので、今年の秋は、月1を目標に美術展を回りました。

9月にモネそれからの100年、10月にサントリー美術館の京都・醍醐寺 真言密教の宇宙、11月に入ってから庭園美術館のアール・デコ異境への眼差し、今回レビューを書こうと思ったさわひらき 潜像の語り手。最後に最初の3つの感想も少し書いておこうと思います。

以前は、個人の展示よりも○海外有名○美術館、どどーんみたいな展示会ばかり行っていましたが、最近は個人名を冠した展示会も食わず嫌いしないでおもしろそうと思えば行くようにしています。いろいろな作家の作品をあれこれ見るのと違って、一人の作家さんの世界感に浸ると、なぜかやる気が出ることが多いです。

今回の「さわひらき」は、プロモーションのビジュアルから、これは好きそう!と思ってずっと行きたかったのですが、小さな展示な感じがしたのでおっかなびっくり行ってみましたが、結果とてもよかったです。

順路などはない暗い部屋の中に壁やカーテンが設置され、いろいろな場所で少しずつ重なりながら映像作品が上映されます。基本は壁とカーテンでコの字が作られ、正面にはコの内側が見られる位置に置かれた階段のような場所(まるで劇場!というか、実際にKAATは劇場なのですが。)があり、メイン(?)の作品が放映されていたのかな、と思います。

00分に入ると、作家本人の組んだタイムラインを堪能できるということでしたが、ちょうど1時間ぐらいいましたが、全部見られたかはちょっと分かりません。一応、チケット購入時にタイムラインの書かれたパンフレットを手渡されますが、それを見た感じでも多分とりこぼしがあると思います。最初は、割と多くの人が階段のところでメインの映像を見ているのですが、時間を経るにつれて自由に動き出していく感じも興味深かったです。最初にコの字の裏側にまわった時には、白っぽい服を着た女性が二人立って映像を見ていた図がぼーと浮かび上がって、見ている姿勢までが非日常的でアートっぽい、と思ってしまう不思議な空間でした。


もう少しいたかったけれど、時間的な理由で叶わず。しっかり見たければ2時間ぐらいはあった方がいいかもしれないです。

映像作品自体は、ありえないほど不思議ではないけれど、現実では起こりえないような映像が続くことで意味になってくる(?)ようなものが多かったです。映像だけでなく、空間まるごとが作品として楽しめる展示会でした。(とても静かな雰囲気なので、子どもは連れて行かなくてよかった、、と思いました。)

展示会パンフレットが部屋の中のベンチに置いてあったのでぱらぱらとめくってみましたが、ポール・オースターの「最後の物たちの国で」の言葉が引用されている箇所が目にとまり、あぁ、なるほど、オースターっぽい感じかぁ、と少し腑に落ちたような気がしました。



−−以下は、以前の展示の感想−−

モネに関しては、混雑がひどかったのですモネの睡蓮4枚と個人的に好きな鈴木理策氏の写真のかかった部屋に大変満足しました。でも、やはり混んでいる美術館が好きではないので、また地中美術館に行きたいな〜と思った展示会でした。

醍醐寺展は、ありがたい展示でした。笑

アール・デコ異境への眼差しはゆったり展示も見られるしヴァンクリーフの宝飾品もあるし、庭園美術館自体の装飾も主張していますが、空間も含めてアールデコを堪能できる展示会かと思います。

また、最後に現代の映像作家Mounir Fatmi(ムニール・ファトゥミ)のアングラっぽい映像作品を見て、昔も今もフランスは異境/移民の国だよな〜と思いました。

2018年6月10日日曜日

Movie Review: ブレードランナー2049

今更感が半端ないですが、かなり好きな映画になったので感想など書いておきたいと思います。

 

SFとか割と好きなのに、最近までブレードランナーって2049で話題が再燃するまで見たこと無かったんですが、2049の公開の頃に雑誌などで特集されたりしていて、このままではフィクション好きが廃る、と古い方の作品をまずは自宅で鑑賞後、2049の方も見たところすっかり2049にはまってしまいました。

2049、とにかく映像が美しすぎて、好みすぎて、映画館で見たかった…。

どのシーンも、絵がとても美しいんです。特にウォレス社の社内が好みで無機質なのに水のゆらぎなどが反映された無機質過ぎない、洗練された空間にうっとりでした。雰囲気としてはガタカ(97年の映画。ジュード・ロウがとてもかっこいい。)を思わせるところもあり、SF好きの人なら絶対はまると思います。

レプリカント(人造人間)が魂を持つとか持たないとか、テーマとしてはすでに使い古されている感じがするし、実際に今回の新事実を加味したとしてもぐっと訴えかけてくるテーマとかはないんです。そいうい意味での知的なおもしろさはありませんが、逆に奇をてらわずに前作から続く世界を描くことでフィクションの世界(観)の拡張をしていることがとても素晴らしいなと思いました。自分の構想でないものを違和感なく拡張するのってとても難しいことだと思うんです。虚構が現実の投影であるならば、虚構の世界も現実と同じぐらいの広さを持てるということを新監督は証明してくれていると思います。

監督は、以前レビューした「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ、音楽はダヴィンチコードやインセプションなども手がけるハンス・ジマーって、そりゃ好きに決まってますわ。

(こちらは、昨年10月の雑誌Penの「SF絶対主義。」号の1ページ)

主人公のライアン・ゴズリングについては、映画を見ている間は特に何も感じないのですが、何も感じさせない演技に徹しているとしたら、まさにレプリカント的でなんだかすごいな〜と見終わってから考えていたのですが、その後ララランドを見て、おぉ、やっぱり演技派だった!と改めて感動しました。

ちなみに、前回作品から今回の2049年までの間に起きたことが三つの短編映画としてYouTubeで公開されているのでこちらも併せてどうぞ。

2022:ブラックアウト 



2036:ネクサス・ドーン 



2048:ノーウェア・トゥ・ラン 



仕事で単純作業をするときなどにサントラをよくかけていますが、おすすめは雨の日にこのサントラをかけて歩くことです。ジョギングすればレプリカントを追ったり、追われたりの気分になれること請け合いです!!


    

2018年5月12日土曜日

Kindle Unlimitedで読めるおすすめの小説

Kindle Unlimited登録してみたはいいものの、商品探すのがなかな大変なんですよね。
海外文学好きの視点から、読みたい本、おすすめの本をメモもかねてまとめておきます。

ラテンアメリカ文学


この2つの本をみつけたがために、この記事を書こうと思いました。
カテゴリでブラウジングするとアダルト系の本ばっかりなんですよ。こういう本が上の方に表示されたら最高なんですけどね、Kindle Unlimited。

ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「伝奇集/エル・アレフ」




ボルヘスというアルゼンチン作家の短編集です。この人は岩波文庫(赤)でもいっぱい本が出ています。でも講義録とかが多くて、小説をまとめて読むにはこの本最高ですね。知らないお話あるかな〜と思ってひとまずダウンロードしてみましたが、タイトルを見ているだけでまた読みたくなります。垂涎。

参考までに、第一部のもくじです。

伝奇集
第1部  八岐の園(一九四一年) 
プロローグ 
トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス 
アル・ムターシムを求め て 
『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール 
円環の廃墟 
バビロンのくじ 
ハーバート・クエインの作品の検討 
バベルの図書館 
八岐の園


ガルシア=マルケス全短編




コロンビアの作家。愛するマルケス御仁の短編集です。確かに、全部の短編入っていそうです。「百年の孤独」が有名ですね、マジックリアリズムの大家であります。

ボルヘスもマルケスもとてもおすすめなので、ぜひ読んでください!

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ちなみに、どちらも「デジタル書店グーテンベルク21」というところから発行されてます。存じ上げない出版社?ですが、これからもよろしくお願いします、という気持ち。他にもこの書店のものでUnlimited対象があったので漁ってみたいです。


ミステリー、サスペンス


ジェームズ・ロリンズの「マギの聖骨」、シグマフォースシリーズ




歴史の秘密系ミステリーみたいな感じでしょうか。ダンブラウンのダヴィンチコードなどのラングドンシリーズのもっとアクションよりでB級版(失礼)という感じです。でも、エンタメ作品としてはおもしろいです。マギは昔読んだことがあったので、今はナチの亡霊を読んでます。

ちなみに、上下合本じゃないものはUnlimitedの対象ではないのでボタンクリックをお間違いないように。

ジェフリー・ディーヴァーのダブル・クロス




読んでませんがwジェフリー・ディーヴァならある程度は間違いないでしょう、ということで。そのうち読みます。

オースティン・フリーマンのドクター・ジョン・イヴリン・ソーンダイクシリーズ




これも読んでませんが古典ミステリーっぽいので読みたいリストに追加!


ファンタジー/SF


ハリー・ポッターシリーズ




世界中で大ベストセラー。間違いのないハリー・ポッターシリーズが全てUnlimited!シリーズ1作目を読んで、その後映画を見てしまったので、ストーリーは知っているので暇なら二作目以降読みたいです。

イングレス ザ・ナイアンティック・プロジェクト




これはw! Ingress(Pokemon Goの技術ベースになってる位置ゲー)というGoogleのプロジェクトから派生した小説っぽいですね。評価低いので読むか迷うところですが、かつてエージェントだったのでちょっと気になったの一応メモしておきます。


光文社古典新訳文庫から


こちらのシリーズはUnlimited対象多いですね。1冊で完結しているものもあるけれど、シリーズものは大抵一冊目がUnlimited。その後はKindleで購入できます。古典系は合う合わないもあるので最初の一冊だけでも無料なのは本当にありがたいですね。

C・S・ルイスの「魔術師のおい」




岩波少年文庫ではライオンと魔女が1巻目にきていますが、ルイス自身が望んだ物語の順番だと「魔術師のおい」が最初にくるそうです。この辺の事情は、この本の翻訳者である方の解説で私も知りました。

プルーストの「失われた時を求めて」





これも長い長いシリーズものですが。今、実は岩波文庫で読み進めています。とても美しいです。全巻読みたいです。

他にも、赤と黒や嵐が丘、シェイクスピア、ドストエフスキー、哲学の名著などの古典的名作が大量にあります。Unlimitedの範囲で読めるものもかなりあります。

「光文社古典新訳文庫」で検索して探せばUnlimitedのカテゴリからでなくてもUnlimitedの本が沢山みつかります!最高!!変なアダルト本の中を本を漁らなくていい!!!

アーサー・コナン・ドイルの「失われた世界」




読んだ事のないあたりだとこれは読みたい。


番外編:国内作家で読みたい本(メモ)


川上未映子さんの「シャンデリア」と「マリーの愛の証明」




川上作品ぽつぽつ読みますが、好きです。


江戸川乱歩の作品




作品、沢山ありました。読んでみたいです。


以上、Kindle Unlimitedで主に海外の良質な小説を読むためのリストでした。

よろしければ、私の小説もよろしくお願いします。