本屋さんで平積みにされていた「N女の研究」をみつけたのが2月頃。「N女」=「NPOで働く女子」のテーマとインパラの朝の中村安希さんの著作であることも相まって瞬発的に買ってあったのを本棚でみつけて昨日今日と読んでみました。結果としてしばらくの積ん読期間を経て、育休明けにこの本を読むのが自分にはいいタイミングだったように思います。
学生の頃に非営利組織の経営の勉強をしていたりとか、自分もNPOでインターンをしていたので、ぶっちゃっけ給料低い(学生インターンならなおさら)とか、各人に割り当てられる仕事との量が半端ないという現状などは、読みながら始終頭を縦に振っていたのですが、女性の転機(結婚や出産)とNPOでのキャリアがとても密接な関係にあること、給与の低いNPO業界で働くには安定した夫の収入があってこそ、という、共働きとか男女平等とかきれいごとではすまされない現代社会の「働く」ということがNPO業界で働く女性へのインタビューから浮き彫りにされていて、とても興味深かったです。
もちろん、NPOで働きたいけど家族がいてそれが叶わない男性ややはり仕事のやりがいよりも収入を優先しなければならない共働き家庭の人からしてみたら、お金の心配の少ないN女って好きなことできていいよね、なわけなのですが、現代のN女が高学歴なのが同等かそれ以上に高学歴で稼ぐ力のある夫がいるから成り立っている部分もあることを考えると、N女の存在は規模は小さいものの現代版ノブレスオブリージュだったりするのかもしれません。
一方で社会課題に向き合う彼ら彼女らも、社会的な弱者になる可能性もゼロではありません。誰もが将来の見通しが不透明な中で生きていく現代社会では、著者が最後にN女の研究を通して提示した4つの多様化する社会で「敵対」から「寛容」へ向かうヒントは、社会という場所にいる一人ひとりが生きやすくなるためにとても重要なものに思えます。
1. 目の前の問題を自己犠牲によって解決しようとしない
2. 自己主張による問題の社会化を図る
3. 人は自分と違うという事実を受け止める
4. 立場の違いを越えて利害の異なる誰かのために戦う
インタビューとは別にその合間に進行する中村さん自身の友人のNPOへの就職から離職までの話も印象に残りました。NPOで働いていますと正面切って言ったり、NPOでのキャリアとして全面に押し出してはいないけれど、自分の興味のある問題意識に関われるならという理由で就職してみたという女性は意外に多いのかも知れないな、と。
NPOへの就職はまだまだマイナーだし、結婚、出産を機に、あるいは何か思うところがあってキャリアチェンジを試みたことで傍から見れば血迷っていると思われるようなキャリア選択をする女性って意外と実際の友人レベルでもいるのですが(自分もまた機会があればNPOに関わりたいと思っている一人だし)、自分が納得するためにいろいろなことを試していくような空気を読めない感じや必死感を湛える人を決して後ろ指指して笑ったりせずに、その健闘を称えられるような社会になればいいな、と改めて思ったのでした。
